By 北浦 令偉, 公開日 2022-01-01T03:00:00.000Z
地元の人たちに提供したいと思った原点
平山さんが、花農家であるご実家に帰ってこられてやりたかったことは、人が花を飾る原点の気持ちをもう一度掘り起こすこと。花を見て「美しい」と思うこと。癒されること。心が穏やかになること。忘れられてしまっている、人々のこういった気持ちを掘り起こしたい。
平山さんは「直売所、スーパー、E Cサイト、やろうと思えば全国の人に花を届けられる、やろうと思ったらなんでもできる、要はやり方次第かなって思う。」とおっしゃっていましたが、現在、作っているお花の8割5分は、地元のお客様に提供されているとおっしゃっています。
(平山さん)
今、みなさん、一生懸命、値段の安いものを量販店に行って買っていらっしゃる。多くの方がそうです。そんな中、地元のお客様には「この花、なんかきれいだから、ちょっと買ってみようか」って、フローラ平山で作っているものをキチッと認知してもらって、「この花、なんかいいよね」っていう人たちをもっと増やしていけたらなと思うんです。自分の地元、鹿島台で「価値は安いだけじゃない。きれいだから買う。いいものだから買う。こういう形もある。」っていう、価値の創造をしていきたいと思ったんです。
あとは、「人」と「もの」と「お金」の流れっていうのを、コンパクトにしたいんです。自分の中で、会社経営として、小さな範囲で回したいっていうのがあるんです。動く範囲が広ければ広いほど、動けば動くほどリスクが増えてくるので。
私は、地元のお客様に愛されないものって、例え会社を大きくして規模を拡大しても、続かないと思うんです。段階として、まず地元の人たちがあって、地元の人たちみんなに認められて、その後、もっと広範囲の人たちに知ってもらおうってなった時、地元のお客様に、まずきっちり認知されてなかったら、おそらく会社ってうまくいかないんじゃないかなって思っているんです。足元というか、基盤がちゃんとしていないとうまくいかないと思うんです。
なんの事業でもうまくいっている方って、地元の支持がすごいんですよね。私は某ホームセンターに勤めていたので、ホームセンターで例えるんですが、北海道に行けば、ホーマックさんは熱烈な支持を受けていて、地元の皆さんが「ホーマックじゃなきゃ、ホームセンター成り立たないよね」っていう感じで、福島に行けばダイユーエイトっていうホームセンターがあって、地元の人みんなから熱烈な支持を受けている。他の大手が進出しても微動だにしないほど、地元の人たちの心を掴んでいるんです。多分、これはどの業界も同じかなって思います。地元のお客様に愛され支持される企業にならないと、いざ何かを新しいことをやろうと思った時に、多分できないと思うんです。例えスタートできても、もうまくいかない、一時的にうまくいったとしても、長い目で見たら、多分うまくいかなくなるだろうなと。まずはキチッと地元の人たちに認めてもらうことを、やんなきゃいけないなって思ったんです。